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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻1号

2021年01月発行

文献概要

症例報告

薬剤性過敏症症候群の経過中に喉頭浮腫を生じた1例

著者: 齋藤真衣1 下田由莉江1 福山雅大1 嵩幸恵1 佐藤洋平1 川原敬祐2 齋藤康一郎2 大山学1 水川良子1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室 2杏林大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.27 - P.31

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要約 48歳,男性.初診1か月前から高尿酸血症に対してアロプリノール内服を開始した.初診2日前より発熱と全身に粟粒大の紅色丘疹,紅斑が出現したため,当院を受診した.頸部リンパ節腫脹,白血球増多,異型リンパ球の出現,好酸球増多,肝機能障害を認めた.薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)と考え,入院加療とした.全身状態は良好でステロイドを投与せず保存的に加療したが,入院2日目に頸部の浮腫が増悪し呼吸困難が出現した.喉頭ファイバースコープで喉頭浮腫を認め,ステロイド投与を行ったところ,呼吸困難と皮疹は改善した.アロプリノールのリンパ球刺激試験が陽性で,HHV-6の再活性化も認め,DIHSと診断した.DIHSにおいて頭頸部浮腫は高頻度にみられるが,喉頭浮腫の合併は稀である.本邦類似症例もDIHSの早期に喉頭浮腫を発症しており,DIHS早期に呼吸困難が生じた際は,喉頭浮腫の合併を念頭に置き,速やかなステロイド投与を考慮する必要があると考えた.

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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