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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻1号

2021年01月発行

文献概要

症例報告

左顔面の多汗を主訴とした特発性harlequin症候群の1例

著者: 片桐正博1 並木剛1 横関博雄1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野

ページ範囲:P.49 - P.54

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要約 67歳,女性.2年前より,運動や入浴時に左顔面の紅潮や発汗増加を生じていた.近医で頭部MRIを撮像するも異常なく,精査加療目的に当科受診となった.入浴後では左頰部が右頰部と比較してやや紅潮しており,ミノール法では右顔面全体に発汗低下を認めたが,軀幹と四肢ではおおむね発汗は保たれていた.無汗部である右頰部からの皮膚生検では,汗腺の萎縮や汗腺周囲にリンパ球などの炎症細胞浸潤を認めなかった.また画像検査でも右顔面の発汗低下を生じうる明らかな腫瘍性病変や脳血管障害を認めず,特発性harlequin症候群と診断した.患者は日常生活で支障をきたしておらず,経過観察の方針となった.Harlequin症候群は稀な疾患であるが,特発性に生じるほか,基礎疾患として腫瘍性・血管性病変などを原因として症候性に生じる場合があるため,基礎疾患の有無の検索を行うことが大切である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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