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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻1号

2021年01月発行

文献概要

症例報告

リツキシマブを投与した濾胞性リンパ腫に伴った腫瘍随伴性天疱瘡の1例

著者: 橋本彩1 国本佳代1 貴志知生2 松山依子3 細井裕樹3 古賀浩嗣4 石井文人4 金澤伸雄1 神人正寿1

所属機関: 1和歌山県立医科大学皮膚科 2海南医療センター皮膚科 3和歌山県立医科大学血液内科 4久留米大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.60 - P.66

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要約 80歳台,男性.初診の1か月前より口腔内にびらんが出現した後,四肢にも水疱が拡大したため前医を受診した.尋常性天疱瘡が疑われ,当科紹介となった.初診時,広範な口腔内びらんを認め,1cmほどの比較的緊満な水疱が体幹や四肢に多数散在していた.血液所見と病理所見から尋常性天疱瘡と考え治療を開始したが,腫瘍随伴性天疱瘡(paraneoplastic pemphigus:PNP)も疑われた.全身単純CTにて後腹膜に腫瘤陰影を認め,CTガイド下生検にて濾胞性リンパ腫と判明した.抗デスモグレイン(Dsg)1,3抗体,エンボプラキン,ペリプラキンに対する自己抗体が陽性でありPNPと確定診断した.プレドニゾロンとリツキシマブを中心に治療をしたところ,皮膚症状は改善しリンパ腫も縮小傾向である.PNPを疑った場合,早期に画像検査を行い,随伴腫瘍を早期に治療する必要がある.リツキシマブは難治性天疱瘡での有効性が報告されているが,自験例のような濾胞性リンパ腫合併PNPでも治療選択肢となりうることが示された.

参考文献

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8) Lee S, et al:Int J Hematol 106:852, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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