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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻10号

2021年09月発行

治療

当科における陥入爪治療症例の検討

著者: 脇絵麻1 新井美帆1 新井康介2

所属機関: 1深谷赤十字病院皮膚科 2新井皮フ科

ページ範囲:P.819 - P.824

文献概要

要約 2014年10月〜2019年9月の5年間に,当科において陥入爪治療(アクリル人工爪法またはアクリルガター法)を実施した170例を臨床的に検討した.患者の年齢は平均40.2歳で,男女差はなかった.部位は左右の母趾が98.8%を占めていた.原因は深爪が半数を占め,ほかに外傷,分子標的治療薬の副作用,医原性が挙げられた.アクリル人工爪法またはアクリルガター法を施行し,平均15.2日で疼痛消退および肉芽縮小が得られた.陥入爪は爪甲が爪郭を損傷した状態で,深爪が背景となり外力が加わることで生じる.フェノール法は即効性を期待できる治療だが術後に不可逆的な変形を残すことがあり,今回の検討の結果からは可能な限り自己爪甲を温存できるアクリル人工爪法またはアクリルガター法で治癒を目指すべきであると考えられた.

参考文献

1) 東 禹彦:爪—基礎から臨床まで,改訂第2版,金原出版,p151, 2016
2) 新井康介,土田哲也:皮膚臨床 55:1740, 2013
3) 東 禹彦:形成外科 62:589, 2019
4) 高山かおる:形成外科 60:941, 2017
5) 佐藤隆亮,他:皮膚病診療 41:861, 2019
6) Ines Z, et al:Dermatology Online Journal 19:4, 2013
7) 新井裕子,新井健男:カラーアトラス 爪の診療実践ガイド,全日本病院出版会,p115, 2016
8) 山口健一:PEPARS 146:35, 2019
9) 新井康介:手術 70:1171, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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