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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻11号

2021年10月発行

症例報告

ベトナム渡航後発症したデング熱の2例

著者: 中井友美1 山口麻里1 妹尾明美1 長尾洋1

所属機関: 1岡山赤十字病院皮膚科

ページ範囲:P.917 - P.921

文献概要

要約 症例1:30歳男性.ベトナム旅行後,二峰性の発熱と四肢に点状紅斑が出現した.白血球と血小板の一過性減少と,腹部の虫刺様紅色丘疹を認めた.症例2:40歳男性.症例1と共にベトナム旅行に行き,帰国後に発熱と全身の疼痛,下痢が出現した.解熱後に全身のびまん性潮紅の中に爪甲大の正常皮膚を散在性に認めた.いずれの症例も旅行中に蚊に刺されたエピソードがありデング熱を疑い血液と尿のPCRを施行したところデングウイルス1型陽性でありデング熱と診断した.ともに経過観察のみで症状は改善した.我が国でのデング熱患者数は年々増加傾向にあり,2014年,2019年には国内発症例も報告されている.海外旅行後の発熱と血小板の低下やwhite islands in a sea of redと呼ばれる特徴的な皮疹をみた際は,デング熱も鑑別に挙げて検査をする必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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