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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻12号

2021年11月発行

文献概要

症例報告

電撃性痤瘡の1例

著者: 野見山留衣1 猿田寛1 永田寛1 石井文人1 阿部俊文2 名嘉眞武国1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室 2聖マリア病院皮膚科

ページ範囲:P.1017 - P.1021

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要約 13歳,男性.初診2か月半前より前胸部の毛孔に一致する紅色丘疹と膿疱が出現した.近医皮膚科にて痤瘡の診断で加療を受けたが改善なく同部位はびらん,潰瘍化した.その後下肢の筋肉痛と関節痛が出現し,立位保持が困難な状態のため緊急入院となった.急激に発症する重篤な潰瘍と結節性囊腫を伴った痤瘡,1週間以上の関節痛・筋肉痛,および38℃以上の発熱,ESR≧50mm/hより電撃性痤瘡と診断した.プレドニゾロン0.5mg/kg/日の内服を開始し,筋肉痛は軽減し,びらん・潰瘍は瘢痕治癒した.プレドニゾロンを適時漸減し,投与終了後も再燃なく経過しているが軽度の筋肉痛が残存している.自験例は通常の痤瘡の治療には反応せず,ステロイドの全身投与が著効した.本疾患は重症型痤瘡というよりも,SAPHO症候群の類縁疾患として,診療に臨む必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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