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雑誌目次

雑誌文献

臨床皮膚科75巻13号

2021年12月発行

雑誌目次

今月の症例

腰背部,臀部から両下肢後面に生じたeruptive disseminated Spitz neviの1例

著者: 荒井桜子 ,   楠谷尚 ,   深井和吉 ,   加茂理英 ,   大迫順子 ,   鶴田大輔

ページ範囲:P.1046 - P.1050

要約 33歳,男性.初診1年前から臀部,両下肢に米粒〜粟粒大の黒褐色斑,結節が急激に多数出現した.採血検査,PET-CT検査では異常所見はなかった.異なるダーモスコピー所見(①中央はhomogeneous pigmentationで辺縁は灰白色の背景を有するpigment network,reticular pattern,②dots and globules)を呈する病変2か所から皮膚生検を施行し,病理組織学的にSpitz母斑の所見であったためeruptive disseminated Spitz nevi(EDSN)と診断した.EDSNはきわめて稀な疾患であり,本邦では報告がない.孤発性のSpitz母斑ではBRAF遺伝子変異,HRAS遺伝子変異の報告があり,EDSNの今後の病態解明が進むことが期待される.多発する黒褐色斑,小結節を診た場合はEDSNの可能性も念頭に置き診療にあたることが必要と考える.

症例報告

メポリズマブで神経症状の改善がみられた好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例

著者: 吉田雅絵 ,   山本真実 ,   伊藤友章 ,   原田和俊 ,   大久保ゆかり ,   坪井良治

ページ範囲:P.1051 - P.1055

要約 84歳,女性.3年ほど前から気管支喘息の治療が開始されていた.初診の数日前から,両下肢の痺れと紫斑が出現し,好酸球の上昇を認めた.左下腿の浸潤を触れる紫斑を生検し,真皮の小血管に多数の好酸球の浸潤を伴う白血球破砕血管炎がみられた.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と診断し,プレドニゾロン(PSL)0.5mg/kg/日の内服を開始したところ,好酸球数は速やかに改善し,両下肢の紫斑も消退した.しかし,下腿の痺れが遷延したためIVIGの定期的な実施を検討したが,体力的な負担を理由に同意が得られなかった.そこで,メポリズマブを投与したところ,痺れは改善し,PSLを漸減・中止できた.その後も症状の再燃はない.痺れが残存し,PSLの減量が困難な症例において,メポリズマブの併用は痺れを改善させPSL減量の一助となりうると考えられた.

左大腿部の慢性拡張性血腫の1例

著者: 鎗山あずさ ,   米井希

ページ範囲:P.1057 - P.1062

要約 50歳台,女性.初診の約2か月前に前医で卵巣腫瘍の精査のため行われたCTで左大転子部筋膜上に8cm大の腫瘤陰影を指摘され紹介受診した.境界不明瞭,弾性軟の皮下腫瘤で,下床との可動性は不良であった.悪性軟部腫瘍も否定できないため,生検を行ったところ,内部より多量の茶褐色泥状内容物の排出を認めた.慢性拡張性血腫(chronic expanding hematoma:CEH)を疑い,全摘出を行った.厚い被膜をもつ囊胞様構造で,被膜下にヘモジデリン沈着を伴う肉芽組織,フィブリン塊を認め,病理組織所見よりCEHと診断した.CEHは外傷や手術を契機に1か月以上の経過で徐々に増大する血腫であり,自然消退しない.一般的に軟部組織発生のCEHでは随伴症状は伴いにくいとされる.長期間にわたり増大する皮下腫瘤や経過のはっきりしない皮下腫瘤では,本疾患も鑑別の1つに挙げ,外傷や手術の既往歴,抗凝固薬や抗血小板薬の内服の有無を確認する必要がある.その際,過去10年単位の既往も有用な情報であると考える.

投与継続しえた抗PD-1抗体による水疱性類天疱瘡の2例

著者: 新田悠介 ,   石河軌久 ,   神崎正俊 ,   熊澤光明 ,   佐藤輝幸 ,   垂石羊司 ,   河野通浩

ページ範囲:P.1063 - P.1068

要約 症例1:74歳,男性.膀胱癌にてペムブロリズマブ投与開始14コース後,四肢に紅斑,緊満性水疱が出現した.抗BP180抗体陽性,組織学的に好酸球を伴う表皮下水疱を認め,ペムブロリズマブによる水疱性類天疱瘡と診断した.症例2:61歳,女性.軟口蓋癌にてニボルマブの投与開始12コース後,四肢体幹に紅斑,緊満性水疱が出現した.抗BP180抗体陽性,組織学的に表皮下水疱と好酸球浸潤があり,ニボルマブによる水疱性類天疱瘡と診断した.2例とも,抗PD-1抗体の投与を継続しながらも,プレドニゾロン10mg/日の内服加療にて皮疹は軽快した.近年抗PD-1抗体により発症した水疱性類天疱瘡の報告が増えている.その場合の抗PD-1抗体の投与継続の見極めは難しいが,画一的に中止するのではなく,皮疹の状態を慎重に観察しながら投与継続を検討する必要がある.

COVID-19肺炎を発症した水疱性類天疱瘡患者の1例

著者: 福田将大 ,   平福啓一伍 ,   唐川大 ,   梅澤慶紀 ,   三田光慶 ,   朝比奈昭彦

ページ範囲:P.1069 - P.1073

要約 73歳,男性.70歳で水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid:BP)を発症し,プレドニゾロン(PSL)10mg/日を開始した.その後,皮疹の改善とともに抗BP180抗体価の低下を認め,治療開始約13か月目の72歳時(2019年2月)にステロイド内服を終了した.しかし,休薬約12か月後にBPが再燃したためPSL 2mgを再開し,その後皮疹悪化に伴い漸増した.2020年5月,PSL 10mg内服時に発熱が出現し,咽頭拭い液で重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2 PCR陽性,胸部CTで肺炎像を認め入院した.人工呼吸器管理の下,ファビピラビル,レムデシビル,シクレソニド,ナファモスタット,ステロイドパルス療法などを施行したが,呼吸状態悪化のため第21病日に永眠した.皮膚科ではステロイド内服の使用頻度が高いことから,新型コロナウイルス感染症流行下におけるステロイド内服治療に関する指針の確立が急務と考えた.

腰部に生じた硬化性萎縮性苔癬の1例

著者: 渡邉裕介 ,   川邉瑠璃子 ,   鈴木大介

ページ範囲:P.1075 - P.1079

要約 46歳,女性.初診3年前に左腰部に瘙痒を伴う白色局面を自覚した.病変は徐々に拡大し,初診時には下床に硬結を触れる9×4cmの白色萎縮性局面を呈した.病理組織学的に過角化や表皮の萎縮,表皮直下の透明帯,真皮中層以下の膠原線維膨化を認め,硬化性萎縮性苔癬と診断した.ステロイド外用で加療したところ,治療開始6か月後には硬結が軟化し,病変部に色素の再生を認めた.硬化性萎縮性苔癬の外陰部外病変は外陰部病変に比べてステロイド外用への反応が悪いとされるが,自験例ではステロイド外用が奏効した.また,治療前後の病変を,組織の硬度を色のパターンで表示する超音波エラストグラフィで評価したところ,治療前は周囲の正常部と比べ硬度が高いことを示す青色調の箇所が目立ったが,治療後は正常部と同様の色調となっており,画像的にも病変の改善を確認できた.硬化性萎縮性苔癬の治療効果判定に超音波エラストグラフィは有用であると考えた.

爪囲線維腫から診断に至った結節性硬化症の母子例

著者: 丸田志野 ,   押川由佳 ,   守屋千賀子

ページ範囲:P.1081 - P.1087

要約 50歳,女性.10年以上前から足趾爪基部に腫瘍ができるようになり,冷凍凝固療法で除去するも再燃を繰り返すため当科に紹介された.初診時右拇趾に8mm大の常色皮膚腫瘍を認め,爪は圧排されて変形していた.他の足趾にも同様の腫瘍を認めた.右拇趾から全摘生検を施行し,真皮内に膠原線維と線維芽細胞の増生を認め爪囲線維腫と診断した.多発していたことから結節性硬化症の可能性を考え全身を診察したところ,顔面血管線維腫やシャグリンパッチ,頭部単純CTで上衣下結節を認め,結節性硬化症と診断した.家族歴を聴取したところ息子も幼少期より皮膚病変があり,後日診察し結節性硬化症と診断した.皮膚病変に対しシロリムス外用を行った結果,顔面血管線維腫は著明改善,シャグリンパッチは軽度改善した.シロリムス外用の治療効果は病変の種類や外用アドヒアランスに影響される可能性があり安全性や維持療法を含め今後のさらなる症例の蓄積が期待される.

30歳台男性の左大転子部に生じ難治性潰瘍から類上皮肉腫の診断に至った1例

著者: 豊島進 ,   堀川弘登 ,   山崎一人 ,   佐藤友隆

ページ範囲:P.1089 - P.1095

要約 36歳,男性.特記すべき既往歴はない.X年1月に左大腿大転子部を石材にぶつけて受傷後,小指頭大の潰瘍が出現.出血を繰り返し拡大した.近医で加療されたが改善せず,X年2月に当院受診.受診時約15mm大,深さ約7mmの辺縁に硬結を触れる潰瘍を認めた.X年6月には上皮化を得たが,X+1年5月ごろに同部位に潰瘍が再発した.再発後は創閉鎖を得ることはなく当院への通院を中断,以降近医で外用やデブリードマンが行われた.X+4年6月,創部はさらに拡大し当院再紹介,再診時70mm大の中央に壊死組織を伴い辺縁が堤防状に隆起した深い潰瘍を認め,生検病理で真皮内に核分裂像を伴う紡錘形異型細胞の増生を認めた.免疫染色ではCD34,サイトケラチンAE1/3,EMAが陽性,サイトケラチン5/6,SMARCB1(INI1)が陰性で類上皮肉腫と診断した.類上皮肉腫は若年者に好発する間葉系の悪性腫瘍である.稀な肉腫だが,高率に肺やリンパ節への転移をきたし予後不良となるため,若年者の難治性潰瘍の鑑別として重要であると考え報告する.

口唇腫脹を呈した粘膜関連リンパ組織節外性辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)の1例

著者: 椎山理恵 ,   龍神操 ,   村岡渡 ,   杜ぶん林 ,   品川俊人 ,   安西秀美

ページ範囲:P.1096 - P.1100

要約 33歳,男性.初診3年前より口唇腫脹が出現し,増大縮小を繰り返していた.当初,近医で肉芽腫性口唇炎や血管性浮腫が疑われていたが,腫脹が強くなり当科へ紹介され受診した.MRI検査で下口唇粘膜下深部に境界不明瞭な結節影あり,同部位を生検した.病理組織所見では粘膜下層内から脂肪織にかけて大小不同のリンパ球が稠密に浸潤し濾胞構造を形成していた.腫瘍細胞はCD20,CD79,bcl-2陽性,免疫グロブリンL鎖Cκ鎖領域に単クローン再構成があり,MALTリンパ腫と診断した.腫瘍摘出術後,化学療法,放射線治療を追加したが口唇腫脹は増減を繰り返している.定期的に生検を実施しているが,びまん性大細胞型リンパ腫への移行はまだ確認されていない.口腔領域の悪性リンパ腫は比較的稀であるが,非典型的な口唇腫脹を診た場合は鑑別としてリンパ腫の可能性を考える必要がある.

黄色ブドウ球菌感染合併により鼻瘤様の外観を呈したスポロトリコーシスの1例

著者: 小泉滋 ,   小熊玲奈 ,   矢口貴志 ,   松江弘之

ページ範囲:P.1101 - P.1106

要約 79歳,男性,農家.1か月前より生じた鼻尖部紅斑に対してステロイド軟膏を外用し鼻瘤様の外観を呈した.皮膚生検にて真皮内に多数の円形の菌体成分を混じる肉芽腫像を認めた.細菌培養検査ではメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(methicillin-sensitive Staphylococcus aureus:MSSA),真菌培養検査ではSporothrix schenckiiが検出された.セファレキシン内服にて痂皮は大部分が消失し,腫脹も改善したが紅斑は残存した.その後,rDNA ITS領域の塩基配列からSporothrix globosaと同定され,内服薬をヨウ化カリウムに切り替えたところ紅斑も消退した.MSSAとSporothrix globosaの混合感染であったと考えた.自験例のような鼻瘤様の外観など,非典型な臨床所見を呈したスポロトリコーシスでは,黄色ブドウ球菌など他の病原微生物の混合感染を念頭に組織培養の結果を検討することが治療方針を決定するにあたり肝要である.

塩化トリメチルアンモニウムメチレン含有家畜用消毒薬(パコマL®)の自己注射による軟部組織損傷の1例

著者: 松谷泰祐 ,   金田和宏 ,   本間大 ,   山本明美

ページ範囲:P.1107 - P.1110

要約 47歳,男性.自殺目的に家畜用消毒剤である10%塩化トリメチルアンモニウムメチレン(パコマL®)の原液約10mlを左肘窩皮下に自己注射した.その後,徐々に発赤・腫脹,疼痛が強くなり,同日昼に近医を受診した.ステロイド外用・補液を行われ帰宅したが症状が悪化したため,救急搬送された.初診時は左肘窩から上腕遠位1/2までの暗赤色の紅斑と腫脹を認めていたが,翌日には注射部位に水疱を形成し,紅斑・腫脹も近位側に拡大したため,デブリードマンを行った.腫脹部位皮下に著明な浮腫と,注射部位を中心として筋膜・筋組織の広範囲な壊死を認め,壊死組織の除去と洗浄を行った.術後速やかに,発赤・腫脹は改善し,外用剤処置,陰圧閉鎖療法で肉芽を形成させ分層植皮術を施行し,強い拘縮は残ったが患肢を温存しえた.中毒性薬剤による軟部組織損傷患者においては使用した薬剤を速やかに特定し,早急にデブリードマンを施行すべきである.

陰茎に生じ糖尿病を合併した皮膚限局性結節性アミロイドーシスの1例

著者: 岩田和子 ,   松本賢太郎 ,   嶋津苗胤 ,   小楠浩二

ページ範囲:P.1111 - P.1115

要約 37歳,男性.初診の約3年前より陰茎に淡紅色,表面平滑な結節を認めた.近医を受診し冷凍凝固療法で治療が開始されたが改善なく紹介され受診した.病理組織所見では,真皮全層にびまん性に好酸性無構造物質があり,コンゴーレッド染色とdirect fast scarlet(DFS)染色で橙赤色に染まり,抗AL(κ)抗体による免疫染色で陽性であった.全身検索により全身性アミロイドーシスは否定され,皮膚限局性結節性アミロイドーシス(localized cutaneous nodular amyloidosis:LCNA)と診断した.LCNAはSjögren症候群に合併例することがあるとされている.今までにLCNAと糖尿病の合併の報告はなかった.糖尿病を合併し,陰茎に生じたLCNAの報告は稀で本邦では初の報告となる.慢性刺激や摩擦などの外的刺激が誘因の1つとなって発症する可能性が示唆されており,自験例でも外的刺激が関与している可能性を推察した.

治療

Zipサージカルスキンクロージャー®を用いたシューレース法と局所陰圧閉鎖療法の併用による創傷治療の2例

著者: 永井幸司郎 ,   尾松淳 ,   宮川卓也 ,   山田大資 ,   佐藤伸一

ページ範囲:P.1116 - P.1120

要約 創傷治療において,局所陰圧閉鎖療法は肉芽形成の促進やポケット縮小に有効な治療であるが水平方向の創縮小が得られにくく,そのような場合にシューレース法の併用が有用である.シューレース法は創周囲にステイプルを刺入し,ゴム製血管テープを,靴紐を結ぶようにかけて創を水平方向に縮小させる方法である.血管テープの下にフォームを留置し局所陰圧閉鎖療法と併用できる.しかし,従来の方法ではステイプルによる痛みと,血管テープを靴紐のように結ぶ手間があった.そこでわれわれはZipサージカルスキンクロージャー®という皮膚接合テープを使用した新しいシューレース法と局所陰圧閉鎖療法を併用し,良好な創閉鎖を得ることができた.同手法は,従来と比較し簡便で低侵襲であり,難治性潰瘍に有用な治療法の1つと考えられた.

マイオピニオン

臨床写真を撮る

著者: 今福信一

ページ範囲:P.1044 - P.1045

1. カメラの変遷
 私の最初のカメラは中学生のときに父親から譲り受けたアサヒPENTAX SPであった.レンズは標準の50mmと望遠の200mmの2本.それ以来,趣味の写真はもう40年以上になる.SPは露出計は内臓していたが,もちろん絞りもピントも巻き上げも手動のカメラである.カメラはその後,自動露出(AE),モータードライブ,さらにオートフォーカスが装備され,1つの完成形となった.その途中でデジタルカメラが登場し,最初はおもちゃだったものが急速に進化し,デジタル一眼レフとして君臨することになった.しかしスマートフォンの登場によりいわゆるデジカメは急速に衰退し,また絶対的最上位だった一眼レフは現在,ミラーレスに取って代わられつつある.驚くほどの変化である.

連載 Clinical Exercise・172

Q考えられる疾患は何か?

著者: 田中勝

ページ範囲:P.1041 - P.1042

症例
患 者:22歳,女性
職 業:ペット専門美容師
主 訴:左腕の皮疹
既往歴:特記すべきことなし.
現病歴:X年8月上旬,仕事中に左前腕を猫に咬まれた.傷の治りが遅いため当科を受診した.
現 症:左前腕に表面に発赤を伴い,波動を触れる結節があり,圧痛があった(図1a,b).一部に自分で針を刺し排膿を試みたという痕がみられた.

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目次

ページ範囲:P.1037 - P.1037

欧文目次

ページ範囲:P.1039 - P.1039

文献紹介

ページ範囲:P.1087 - P.1087

次号予告

ページ範囲:P.1124 - P.1124

「臨床皮膚科」歴代編集委員

ページ範囲:P.1125 - P.1125

あとがき

著者: 玉木毅

ページ範囲:P.1126 - P.1126

 東京都での新規感染者数最大1日5,908人と,ちょうどオリンピック・パラリンピックに合わせるように猛威をふるった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はその後急に「失速」し,9月いっぱいで緊急事態宣言は全都道府県で終了となった.このように急速な新規感染者数の減少は専門家も想定外であったようで,ワクチン接種だけでは説明できず,変異修復酵素の変化による「自滅」など,他の要因が存在するようである.
 しかし日本より厳格なロックダウンを行いワクチン接種も先行した欧米で,感染が再拡大しており油断大敵である.ただ日本人は宣言解除後もほとんどの人がマスクを着用するなど感染防止対策を続けているのと対照的に,欧米ではごく一部の人しかマスクをせず,コロナ前と同じような生活に戻っているようであり,これも再拡大の一因かと思わざるを得ない.マスクぐらいしたって同じように経済は回せるだろうに,個人主義の強い欧米人はマスク着用のわずかな不快感が,感染再拡大より耐えられないということなのだろうか?

臨床皮膚科 第75巻 事項索引

ページ範囲:P. - P.

臨床皮膚科 第75巻 総目次

ページ範囲:P. - P.

基本情報

臨床皮膚科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1324

印刷版ISSN 0021-4973

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