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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻13号

2021年12月発行

症例報告

メポリズマブで神経症状の改善がみられた好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例

著者: 吉田雅絵1 山本真実1 伊藤友章1 原田和俊1 大久保ゆかり1 坪井良治1

所属機関: 1東京医科大学皮膚科学分野

ページ範囲:P.1051 - P.1055

文献概要

要約 84歳,女性.3年ほど前から気管支喘息の治療が開始されていた.初診の数日前から,両下肢の痺れと紫斑が出現し,好酸球の上昇を認めた.左下腿の浸潤を触れる紫斑を生検し,真皮の小血管に多数の好酸球の浸潤を伴う白血球破砕血管炎がみられた.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と診断し,プレドニゾロン(PSL)0.5mg/kg/日の内服を開始したところ,好酸球数は速やかに改善し,両下肢の紫斑も消退した.しかし,下腿の痺れが遷延したためIVIGの定期的な実施を検討したが,体力的な負担を理由に同意が得られなかった.そこで,メポリズマブを投与したところ,痺れは改善し,PSLを漸減・中止できた.その後も症状の再燃はない.痺れが残存し,PSLの減量が困難な症例において,メポリズマブの併用は痺れを改善させPSL減量の一助となりうると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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