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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻13号

2021年12月発行

文献概要

症例報告

投与継続しえた抗PD-1抗体による水疱性類天疱瘡の2例

著者: 新田悠介1 石河軌久1 神崎正俊2 熊澤光明2 佐藤輝幸3 垂石羊司3 河野通浩4

所属機関: 1秋田県厚生農業協同組合連合会大曲厚生医療センター皮膚科 2秋田県厚生農業協同組合連合会大曲厚生医療センター泌尿器科 3秋田県厚生農業協同組合連合会大曲厚生医療センター耳鼻咽喉科 4秋田大学大学院医学系研究科皮膚科学・形成外科学講座

ページ範囲:P.1063 - P.1068

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要約 症例1:74歳,男性.膀胱癌にてペムブロリズマブ投与開始14コース後,四肢に紅斑,緊満性水疱が出現した.抗BP180抗体陽性,組織学的に好酸球を伴う表皮下水疱を認め,ペムブロリズマブによる水疱性類天疱瘡と診断した.症例2:61歳,女性.軟口蓋癌にてニボルマブの投与開始12コース後,四肢体幹に紅斑,緊満性水疱が出現した.抗BP180抗体陽性,組織学的に表皮下水疱と好酸球浸潤があり,ニボルマブによる水疱性類天疱瘡と診断した.2例とも,抗PD-1抗体の投与を継続しながらも,プレドニゾロン10mg/日の内服加療にて皮疹は軽快した.近年抗PD-1抗体により発症した水疱性類天疱瘡の報告が増えている.その場合の抗PD-1抗体の投与継続の見極めは難しいが,画一的に中止するのではなく,皮疹の状態を慎重に観察しながら投与継続を検討する必要がある.

参考文献

1) Weber JS, et al:J Clin Oncol 35:785, 2017
2) Hwang SJ, et al:J Am Acad Dermatol 74:455, 2016
3) Carlos G, et al:Melanoma Res 25:265, 2015
4) Damsky W, et al:JAAD Case Rep 2:442, 2016
5) Naidoo J, et al:Cancer Immunol Res 4:383, 2016
6) 内山真樹,三橋善比古:J Visual Dermatol 13:384, 2014
7) Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)V5.0日本語訳JCOG(http://www.jcog.jp/doctor/tool/CTCAEv5J_20190905_v22_1.pdf)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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