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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻13号

2021年12月発行

文献概要

症例報告

口唇腫脹を呈した粘膜関連リンパ組織節外性辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)の1例

著者: 椎山理恵1 龍神操1 村岡渡2 杜ぶん林3 品川俊人3 安西秀美1

所属機関: 1川崎市立井田病院皮膚科 2川崎市立井田病院歯科口腔外科 3川崎市立井田病院病理診断科

ページ範囲:P.1096 - P.1100

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要約 33歳,男性.初診3年前より口唇腫脹が出現し,増大縮小を繰り返していた.当初,近医で肉芽腫性口唇炎や血管性浮腫が疑われていたが,腫脹が強くなり当科へ紹介され受診した.MRI検査で下口唇粘膜下深部に境界不明瞭な結節影あり,同部位を生検した.病理組織所見では粘膜下層内から脂肪織にかけて大小不同のリンパ球が稠密に浸潤し濾胞構造を形成していた.腫瘍細胞はCD20,CD79,bcl-2陽性,免疫グロブリンL鎖Cκ鎖領域に単クローン再構成があり,MALTリンパ腫と診断した.腫瘍摘出術後,化学療法,放射線治療を追加したが口唇腫脹は増減を繰り返している.定期的に生検を実施しているが,びまん性大細胞型リンパ腫への移行はまだ確認されていない.口腔領域の悪性リンパ腫は比較的稀であるが,非典型的な口唇腫脹を診た場合は鑑別としてリンパ腫の可能性を考える必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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