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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻2号

2021年02月発行

症例報告

若年者に生じた巨大痛風結節の1例

著者: 久田智子1 菅田実穂1 田中義人1 稲坂優1 伊藤有美1 小寺雅也1 上田哲太郎2

所属機関: 1独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院皮膚科 2独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院整形外科

ページ範囲:P.177 - P.181

文献概要

要約 39歳,男性.主訴は右足背の腫瘤.既往歴としては職場の検診で高尿酸血症を指摘されていたが,病院受診はしていなかった.また,今までに痛風関節炎の既往はなかった.約1年前に右足背,右手背,両膝蓋に皮下腫瘍が出現し,徐々に増大してきた.約1か月前より右足背の皮下腫瘤が潰瘍となり,同部の圧痛が出現したため受診した.右足背腫瘍の内容物は偏光顕微鏡像にて尿酸塩結晶であった.また,右足背のCTで,骨が結節を取り囲みひさしのように突き出るoverhanging marginを認めたことも痛風結節であると判断する有用な所見であった.整形外科にて痛風結節掻把術を施行され,腫瘤は縮小した.痛風結節の患者が,皮下腫瘤を主訴として最初に皮膚科を受診することもある.皮膚科医にとっても痛風結節の好発部位や特徴,画像所見などは必要な知識であると考える.

参考文献

1) McGill NW, Dieppe PA:J Reheumatol 18:1042, 1991
2) Holland NW, et al:J Reheumatol 23:690, 1996
3) 濵岡 大,他:皮膚臨床 58:1239, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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