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症例報告
免疫グロブリン大量静注療法,ステロイドパルス療法に加えてシクロスポリンの併用が奏効した中毒性表皮壊死症の1例
著者: 白鳥隆宏1
所属機関: 1市立岸和田市民病院皮膚科
ページ範囲:P.205 - P.211
文献購入ページに移動要約 23歳,男性.初診2日前に全身倦怠感,眼球結膜の充血があった.初診前日に39℃台の発熱が出現したため,総合感冒薬を内服した.翌日に体幹中心の紅斑,嚥下痛,呼吸苦,陰部痛で救急外来を受診した.呼吸苦があることから内科に入院となったが,皮疹の範囲が拡大し,口唇と陰部のびらんが認められたため入院2日目に当科紹介,Stevens-Johnson症候群の診断で転科となった.病勢が強く,ステロイドパルス療法と免疫グロブリン大量静注療法を同時に開始したが,入院5日目に中毒性表皮壊死症へ移行した.プレドニゾロン70mg/日の内服を開始したところ,口腔内症状は改善され皮疹の拡大は制御できたものの,びらんと同部に一致する強い疼痛が遷延した.シクロスポリンを追加すると,数日でびらんからの滲出液は減少し,上皮化傾向となった.シクロスポリンが奏効したと考えられた.中毒性表皮壊死症に対してシクロスポリン併用治療が有効である可能性がある.
参考文献
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