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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻4号

2021年04月発行

文献概要

症例報告

原発性肺癌を合併した悪性黒色腫の3例

著者: 上野絵里香1 満間照之1 村上めぐみ1 日高友梨1 水田三由希1 相山明輝1

所属機関: 1一宮市立市民病院皮膚科

ページ範囲:P.319 - P.325

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要約 症例1:60歳,女性.左背部の悪性黒色腫Stage ⅡB切除後半年で肺腺癌が見つかり切除した.症例2:77歳,男性.左前腕の悪性黒色腫Stage ⅡB切除後3年で肺腺癌が見つかり切除した.症例3:74歳,女性.2年前より縦隔小細胞癌で治療中,左足踵の黒色結節が増大し悪性黒色腫の診断で切除した.センチネルリンパ節転移を認めStage ⅢBであった.胸部CTで肺癌を疑う結節影を認めた場合,充実型か部分充実型か,すりガラス型かで原発性か転移性かを推測できるが,病理検査による確定診断が必要である.近年p53遺伝子やPD-1リガンドなど多臓器に共通する癌の発症,増殖因子が解析され,重複癌が起こりうることが示された.また,高齢化により皮膚悪性腫瘍の他臓器癌合併が増加している.自験例でもフォロー中に肺癌の合併を発見しえた症例では早期の診断や治療を行うことができた.悪性黒色腫の経過観察中,発見した他臓器の腫瘍病変が原発性か転移性かを正確に判断することで適切な治療へ結びつけることができる.

参考文献

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5) 宇原 久,他:日皮会誌 110:2123, 2000
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8) 亀嶋秀和,平田公一:臨床と研究 79:2171, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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