icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻4号

2021年04月発行

文献概要

症例報告

一時的人工肛門造設下で治療した臀部慢性膿皮症の3例

著者: 西村季紘1 須山孝雪1 横山恵美1 松木康譲1 片桐一元1 竹下惠美子2

所属機関: 1獨協医科大学埼玉医療センター皮膚科 2獨協医科大学埼玉医療センター外科

ページ範囲:P.335 - P.340

文献購入ページに移動
要約 病変が肛門周囲に及ぶ臀部慢性膿皮症の3症例を経験した.3例とも造影MRIおよび外科医による肛門鏡を用いた診察で痔瘻の所見はなく,1期目にストーマ造設,デブリードマンおよび戻し植皮を行い,2期目に残存した欠損部に大腿をドナーとした分層植皮を行った.経過中,戻し植皮を含め明らかな創部の感染徴候はみられなかった.ストーマ造設,閉鎖を含め計3回の手術で治療は完了した.肛門周囲を含む臀部の創は感染制御が困難であるが,デブリードマン時にストーマ造設術を行うことで感染制御が容易となった.また,戻し植皮の生着も良好であったため,正常皮膚からの採皮面積を減少させることができた.肛門周囲に病変が及ぶ重症例の術後感染制御には,他の排便コントロールに比べ一時的なストーマ造設が優れていると考える.

参考文献

1) 木村知加子,他:皮紀 87:289, 1992
2) 大嶺卓也,他:皮膚病診療 40:456, 2018
3) Ingram JR, et al:Br J Dermatol 180:1009, 2019
4) 濱田利久,他:臨皮 68:135, 2014
5) 西川晋右,他:日本大腸肛門病会誌 57:246, 2004
6) 渡辺 玲,他:日皮会誌 116:1495, 2006
7) 赤羽紀子,他:日形会誌 25:732, 2005
8) 中村悠美,他:皮膚病診療 29:261, 2007
9) 大原直樹,他:日皮会誌 115:483, 2005
10) 飯田直成,日下尚志:皮膚臨床 42:2073, 2000
11) 石川 正,他:西日皮膚 66:541, 2004
12) 松原愛子,他:日皮会誌 117:834, 2007
13) 武藤文之介,他:皮膚臨床 55:177, 2013
14) 市川善章,他:日臨外会誌 78:881, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?