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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻5号

2021年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021 3.新しい検査法と診断法

掌蹠膿疱症と異汗性湿疹(汗疱)との病理組織学的な相違

著者: 黒木香奈1

所属機関: 1東京医科大学皮膚科

ページ範囲:P.70 - P.74

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掌蹠膿疱症(palmoplantar pustulosis, pustulosis palmaris et plantaris:PPP)と異汗性湿疹(汗疱,dishydrotic eczema, pompholyx)は,ともに掌蹠に生じる慢性難治性皮膚疾患であり,しばしば臨床的に鑑別困難な症例に遭遇する.そのため,これまでにさまざまな鑑別方法が議論されてきたが,近年両疾患の病理組織を詳細に観察し,「水疱周囲に海綿状態を伴うかどうか」「水疱・膿疱の辺縁上端部に微小膿瘍を伴うかどうか」という点に着目することが鑑別に有用であることがわかった.PPPと異汗性湿疹は,どちらも日常診療において比較的よく遭遇する疾患である.どちらも長い経過で軽快増悪を繰り返すことが多く,非典型例では臨床的に鑑別が困難である場合がある.その場合には,積極的に皮膚生検を行うことも診断に有用である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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