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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻5号

2021年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021 4.皮膚疾患治療のポイント

アトピー性皮膚炎に対するデルゴシチニブ外用療法

著者: 佐伯秀久1

所属機関: 1日本医科大学皮膚科

ページ範囲:P.92 - P.95

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細胞内シグナル伝達系であるJanus kinase(JAK)経路はアトピー性皮膚炎の病態に深く関与している.2020年1月にJAK阻害外用薬であるデルゴシチニブ(コレクチム®)軟膏がアトピー性皮膚炎に対して承認され,6月より発売された.適用となるのは16歳以上のアトピー性皮膚炎患者であり,皮膚感染症部位を避けて,または予め適切な抗菌薬,抗ウイルス薬,抗真菌薬による治療を行ってから使用する.1日2回適量を患部に塗布し,1回の塗布量は5gまで(1日10gまで)とする.デルゴシチニブ軟膏0.5%の効果はステロイド外用薬のIII群やタクロリムス軟膏0.1%に近い.ステロイドには皮膚萎縮,毛細血管拡張などの副作用があるが,デルゴシチニブにはみられない.皮膚刺激感はデルゴシチニブではタクロリムスに比べて少ない.デルゴシチニブはステロイド,タクロリムスに次ぐ第3の抗炎症外用薬として期待される.

参考文献

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8) 中村晃一郎,他:日皮会誌 130:1581, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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