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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻5号

2021年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021 4.皮膚疾患治療のポイント

頭部の湿疹・皮膚炎に対するステロイドシャンプーの効果

著者: 五十嵐敦之1

所属機関: 1NTT東日本関東病院皮膚科

ページ範囲:P.96 - P.101

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頭部の湿疹・皮膚炎群に対する治療はステロイド外用薬が有用であり,有毛部であることからローション剤が好んで用いられる.ランクはミディアムクラスからストロンゲストクラスまでさまざまのものがあるが,有効性からついつい強いランクのステロイドが使われがちである.しかし一方で皮膚萎縮,毛細血管拡張などの局所性副作用の懸念もあり,長期の使用では特に注意が必要である.クロベタゾールプロピオン酸エステルシャンプー(コムクロ®シャンプー0.05%)はストロンゲストのステロイドを含有する適度な粘性を有するシャンプー様外用液剤であり,頭部の患部に塗布した後,約15分後に水または湯などで泡立てて洗い流すという短時間接触療法(short contact therapy)で局所性副作用を軽減することができる.頭部の尋常性乾癬に加えて2021年脂漏性皮膚炎,アトピー性皮膚炎等の頭部の湿疹・皮膚炎群に対し効能が拡大されたが,有効性と安全性から有力な治療選択肢の1つとなろう.

参考文献

1) コムクロシャンプー0.05%審査報告書(平成29年2月20日,独立行政法人医薬品医療機器総合機構).http://www.pmda.go.jp/drugs/2017/P20170418001/730155000_22900AMX00531_A100_2.pdf(2020年12月11日参照)
2) 五十嵐敦之,他:新薬と臨床 69:923, 2020
3) 五十嵐敦之,他:新薬と臨床 69:1066, 2020
4) 五十嵐敦之:Derma 195:11, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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