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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻5号

2021年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021 4.皮膚疾患治療のポイント

バリシチニブによるアトピー性皮膚炎治療

著者: 常深祐一郎1

所属機関: 1埼玉医科大学皮膚科

ページ範囲:P.102 - P.105

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中等症から重症のアトピー性皮膚炎(AD)患者を対象としたバリシチニブの第III相臨床試験であるBREEZE-AD7試験の結果について概説する.BREEZE-AD7試験は,バリシチニブとステロイド外用薬との併用試験であり,実臨床で想定される使用方法に近い試験デザインである.16週までの二重盲検期間において,バリシチニブ2mg投与群,4mg投与群,プラセボ群のアームが設定され,AD患者におけるバリシチニブの有効性,安全性が評価された.結果は,バリシチニブはAD症状全般を投与開始早期から改善し,16週にわたりその改善を維持した.また,AD患者における忍容性が確認された.以上よりバリシチニブは,中等症から重症のADに対する有用な治療選択肢となることが期待される.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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