icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻5号

2021年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021 4.皮膚疾患治療のポイント

セルトリズマブ ペゴルの妊婦・授乳婦でのエビデンス

著者: 鎌田昌洋1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.106 - P.109

文献購入ページに移動
乾癬は鱗屑を伴い浸潤の触れる紅斑を呈する慢性皮膚疾患だが,関節炎や膿疱を伴うこともあり,妊娠中や授乳中においても生物学的製剤を必要とする症例もみられる.その際,妊婦・授乳婦への安全性だけでなく,生物学的製剤の胎児や授乳を受けている児への影響,特に安全性が懸念される.母体から児へのIgGの経胎盤移行は胎児性Fc受容体を介し行われるが,TNF-α阻害薬であるセルトリズマブ ペゴルはFc領域を欠くため,他のTNF-α抗体製剤とは異なり胎児性Fc受容体に結合できず,結果として胎児性Fc受容体を介した胎盤移行性が低い.また,乳汁移行性も非常に低いことが報告されている.外用療法でコントロール不良な重症乾癬皮疹や乾癬性関節炎,膿疱症乾癬をもつ妊娠可能年齢の女性,妊婦や授乳婦において,セルトリズマブ ペゴルは第一選択となりうる薬剤である.

参考文献

1) Greb JE, et al:Nat Rev Dis Primers 2:16082, 2016
2) Weatherhead S, et al:BMJ 334:1218, 2007
3) Horn EJ, et al:J Am Acad Dermatol 61:e5, 2009
4) Mariette X, et al:Ann Rheum Dis 77:228, 2018
5) Rademaker M, et al:Australas J Dermatol 59:86, 2018
6) Bobotsis R, et al:Br J Dermatol 175:464, 2016
7) Cheent K, et al:J Crohns Colitis 4:603, 2010
8) Hazes JM, et al:Rheumatology(Oxford) 50:1955, 2011
9) Porter C, et al:J Reprod Immunol 116:7, 2016
10) Israel EJ, et al:Immunology 92:69, 1997
11) Clowse MEB, et al:Arthritis Rheumatol 70:1399, 2018
12) Weber-Schoendorfer C, et al:Br J Clin Pharmacol 80:727, 2015
13) Förger F, et al:Joint Bone Spine 83:341, 2016
14) Mahadevan U, et al:Clin Gastroenterol Hepatol 11:286, 2013
15) Clowse ME, et al:Ann Rheum Dis 76:1890, 2017
16) Matro R, et al:Gastroenterology 155:696, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら