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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻5号

2021年04月発行

増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021

4.皮膚疾患治療のポイント

先天性巨大色素性母斑に対する自家培養表皮を用いた治療

著者: 西山幸佑1 坂本翔一1 国本佳代1 山本有紀1 神人正寿1

所属機関: 1和歌山県立医科大学皮膚科

ページ範囲:P.135 - P.139

文献概要

自家培養表皮「ジェイス®」は,患者自身の皮膚組織から分離した表皮細胞を培養し,製造した表皮細胞シートである.ジェイス®は,2007年の広範囲重症熱傷に対する製造販売承認取得後,2016年に先天性巨大色素性母斑に対して保険適用となった.巨大色素性母斑の切除後皮膚欠損創に自家培養表皮を用いた治療例の報告は少ない.今回われわれはその有用性を母斑切除時に筋膜上の結合組織を残存させるか否かで比較検討した.その結果,創部収縮率に明らかな差を認めた.また,本症例では結合組織を残存させても黒色斑の残存や再発は認めなかった.先天性巨大色素性母斑は悪性黒色腫の発生母地となる可能性があるため,早期に母斑を除去することが望ましい.また,患者・家族にとって整容的問題も大きい.年齢・手術部位など症例に応じたより良い治療法の検討と長期結果の検証が求められる.

参考文献

1) 井家益和:創傷 5:118, 2014
2) 酒井成貴,貴志和生:小児科 58:1205, 2017
3) 金子 剛:医学のあゆみ 238:867, 2011
4) 中村泰大,他:日皮会誌 129:1759, 2019
5) 于あかね,他:日形会誌 29:661, 2009
6) Passaretti, D, et al:Plast Recontsr Surg 114:1523, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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