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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻5号

2021年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021 5.皮膚科医のための臨床トピックス

デュピルマブと円形脱毛症

著者: 原田和俊1

所属機関: 1東京医科大学皮膚科学分野

ページ範囲:P.151 - P.153

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デュピルマブはTh2反応の中心となるIL-4,IL-13シグナルを抑制することでアトピー性皮膚炎における臨床症状を著明に改善させる生物学的製剤である.最近,デュピルマブの投与により,アトピー性皮膚炎に合併した円形脱毛症が改善した症例が報告されている.円形脱毛症はTh1サイトカインであるIL-15が病態形成に中心的な役割を演ずると考えられてきた.この仮説を支持するように,デュピルマブ投与によってTh1反応が優位となり,円形脱毛症が発症したという症例の報告がされている.しかし,その一方,デュピルマブ投与により臨床症状が改善する円形脱毛症の存在が明らかとなり,Th2反応が病態の形成に重要な役割を担う円形脱毛症の存在が示唆された.

参考文献

1) Harada K, et al:Br J Dermatol 183:396, 2020
2) Xing L, et al:Nat Med 20:1043, 2014
3) Kanda N, et al:J Dermatol 46:e332, 2019
4) Suárez-Fariñas M, et al:J Allergy Clin Immunol 136:1277, 2015
5) Ito T, et al:Exp Dermatol 29:726, 2020
6) 坪井良治,他:日皮会誌 127:2741, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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