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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻5号

2021年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021 5.皮膚科医のための臨床トピックス

ネモリズマブのアトピー性皮膚炎に対する効果

著者: 入江浩之1 中嶋千紗1 椛島健治1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学講座

ページ範囲:P.155 - P.157

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インターロイキン(IL)-31はTヘルパー2細胞(Th2細胞)などにより分泌され,かゆみや皮膚バリア機能に直接的に関与すると考えられている.アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)では病変皮膚でIL-31の発現上昇が認められ,皮膚炎の重症度(SCORAD:SCORing Atopic Dermatitis)と血清中のIL-31濃度が正の相関を示す.IL-31はIL-4,IL-13,thymic stromal lymphopoietinといったTh2サイトカインとともに,ADの病態形成に深く関与することが知られている.今回,抗IL-31受容体抗体であるネモリズマブが国内第3相試験によりADのかゆみや皮膚炎を改善させることが明らかとなった.既存の方法では改善できなかった症例に対する新規治療として,今後のネモリズマブの臨床適応が大いに期待される.

参考文献

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9) Kabashima K, et al:N Engl J Med 383:141, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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