臨床皮膚科75巻5号

2021年04月発行

増刊号特集 最近のトピックス2021　Clinical Dermatology 2021 5．皮膚科医のための臨床トピックス

抗TIF1γ抗体陽性皮膚筋炎—自験24例と肺癌および間質性肺炎を合併した3例の臨床的特徴

著者： 植田郁子¹² 穴田礼子²

所属機関： ¹大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座皮膚科学教室 ²関西医科大学皮膚科学講座

ページ範囲：P.162 - P.164

抗TIF1γ抗体陽性皮膚筋炎24例(男性10例，女性14例)の臨床像について検討した．平均年齢は57歳で，悪性腫瘍は24例中12例(50%)に認め，男性は10例中8例(80%)，女性は14例中4例(29%)と男性に多く合併した．間質性肺炎は24例中6例(25%)であった．合併した悪性腫瘍としては，間質性肺炎を伴う男性例では肺癌の頻度が高く，間質性肺炎のない男性例では胃癌とびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫が多かった．女性では間質性肺炎の合併のない4例に悪性腫瘍の合併がみられ，卵巣癌の頻度が高かった．肺癌および間質性肺炎を合併した3例の筋酵素の上昇の程度は軽度〜中等度で，肺癌の組織型は腺癌，小細胞癌，扁平上皮癌とそれぞれ異なっていた．

参考文献

1) Betteridge Z, McHugh N:J Intern Med 280:8, 2016

2) Fujimoto M, et al:Arthritis Rheum 64:513, 2012

3) Targoff IN, et al:Arthritis Rheum 54:3682, 2006

4) Kaji K, et al:Rheumatology(Oxford) 46:25, 2007

5) Fujita J, et al:Rheumatol Int 20:81, 2001

6) 沖山奈緒子，藤本　学：炎症と免疫 22:448, 2014