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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻6号

2021年05月発行

文献概要

原著

当教室において過去11年間に経験した乳房外Paget病65例の臨床的検討

著者: 猪狩翔平1 大塚幹夫1 山本俊幸1

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.379 - P.385

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要約 当大学皮膚科において2006年4月〜2017年3月の11年間に乳房外Paget病と診断した65例の臨床・組織所見を後ろ向きに検討した.術前のマッピング生検の有用性が議論されているところであり,本稿では特に当科でのマッピング生検の結果の検討を行った.男性46例,女性19例,術前マッピング生検は54例(皮膚655か所)で行っており,皮膚のマッピング陽性率は,肉眼的境界明瞭部から1cmで1.4%であった.境界不明瞭部から1cmでは11.9%であった.両側腋窩生検は50例100か所行い,紅斑が認められた1か所のみ陽性であった.境界明瞭な病変部では1cmマージンであればマッピング生検は不要であり,境界不明瞭部でも2cmマージンであればマッピング生検は不要だが,2cmマージン未満ではマッピング生検を考慮したほうがよいと考えた.腋窩のマッピング生検は臨床的に皮疹がなければ原則不要と考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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