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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻6号

2021年05月発行

文献概要

症例報告

リパスジル塩酸塩水和物点眼液による接触皮膚炎の1例

著者: 岡林綾1 川合未紗1 渡邊美樹1 平田央1

所属機関: 1和泉市立総合医療センター皮膚科

ページ範囲:P.387 - P.391

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要約 82歳,男性.正常眼圧緑内障に対してリパスジル塩酸塩水和物点眼液(グラナテック®点眼液)とドルゾラミド塩酸塩・チモロールマレイン酸塩点眼液(コソプト®配合点眼液)の使用を開始し,3か月後に眼瞼の発赤とかゆみを発症した.スクラッチパッチテスト(scratch patch test:SPT)で,リパスジル塩酸塩水和物点眼液と主成分のリパスジル塩酸塩水和物が陽性であり,ドルゾラミド塩酸塩・チモロールマレイン酸塩点眼液は陰性であった.リパスジル塩酸塩水和物点眼液の中止で症状は軽快し,同成分による接触皮膚炎と診断した.リパスジル塩酸塩水和物点眼液は2014年に発売された新規薬剤で,今後,汎用されるにつれて接触皮膚炎の発症も増えることが予想される.また,通常のパッチテストは陰性であったがSPTで陽性所見が得られ,SPTの有用性が示された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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