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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻6号

2021年05月発行

文献概要

症例報告

FreeStyleリブレの接着テープによる接触皮膚炎の1例

著者: 新井陽介1 角田孝彦1 高橋賢治2 石山由紀子3 五十嵐雅彦2 飯島茂子4

所属機関: 1山形市立病院済生館皮膚科 2山形市立病院済生館糖尿病内分泌内科 3山形市立病院済生館看護部 4はなみずきクリニック

ページ範囲:P.393 - P.397

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要約 41歳,女性,1型糖尿病患者,フラッシュグルコースモニタリング(FreeStyleリブレ,以下リブレ)の接着テープを両上腕外側へ装着開始した.その6か月後頃より装着部位に一致した発赤,水疱が生じた.接着テープのパッチテストが陽性で,接着剤関連のパッチテストでは接着剤成分IBOAの0.1%と0.01%ワセリンが陽性であったことから,リブレの接着テープに含まれるIBOAによる接触皮膚炎と診断した.また,パッチテストでキクの主成分のSLMも陽性であった.IBOAとSLMが共にパッチテスト陽性となるメカニズムはまだわかっていない.接触皮膚炎に対してはステロイド軟膏を外用し,色素沈着を残し症状は改善した.最近外国および日本でリブレの接着テープによる接触皮膚炎の報告が増えており,IBOAが主な原因であり,今後さらに増加すると予想されるため報告した.

参考文献

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10) 飯島茂子,他:日皮会誌 130:2087, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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