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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻7号

2021年06月発行

文献概要

症例報告

マムシグサによる接触性口唇口内炎の1例

著者: 長尾映里1 三津山信治1 安部文人1 木村雅明1 樋口哲也1

所属機関: 1東邦大学医療センター佐倉病院皮膚科

ページ範囲:P.535 - P.538

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要約 8歳,男児.野球グラウンド周囲に生育していた植物の実を友人と投げ合い遊んでいたところ,誤って口に入ってしまった.直後より口唇の腫脹,口唇,口腔内の疼痛,しびれ,流涎をきたし当院へ救急搬送された.持参された植物の実はマムシグサの果実であり,果実に含まれるシュウ酸カルシウムによる症状と考えられた.多量の流水で口唇,口腔内を洗浄し,希釈目的に牛乳を摂取させたところ,数時間で症状は消失した.マムシグサの果実による接触性口唇口内炎は,本邦報告例では小児での頻度が多く,果実の形や色が特徴的なことから小児の目につきやすいため,保護者や教育者,医療従事者は十分に注意する必要がある.

参考文献

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3) 指田 豊:Derma 270:6, 2018
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9) 塩野入規,他:長野医会誌 39:34, 2009
10) 石川博康:臨皮 63:458, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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