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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻8号

2021年07月発行

文献概要

症例報告

潰瘍性大腸炎に対してゴリムマブ投与中にサルコイドーシスを発症した1例

著者: 谷口君香1 矢嶋萌1 北岡修二2

所属機関: 1枚方公済病院皮膚科 2枚方公済病院消化器内科

ページ範囲:P.569 - P.574

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要約 56歳,男性.潰瘍性大腸炎に対し,ゴリムマブ(GLM)投与開始1年後,左膝に隆起した紅斑を認めた.クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏外用では改善せず,生検した.病理組織標本で壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認めた.また両側肺門リンパ節腫脹を認めていること,採血で可溶性IL-2レセプターが高値であることからサルコイドーシスと診断した.病変は皮膚と肺のみであった.GLM開始後に両側肺門,縦隔のリンパ節腫大を認めており,GLM投与によるサルコイドーシス発症の可能性が高いと考え,GLMの投与を中止したところ皮膚や肺の所見は改善した.サルコイドーシスの皮膚病変を認めた際には,tumor necrosis factor阻害薬の投与により誘発された可能性を検討することが重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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