icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻9号

2021年08月発行

文献概要

治療

鼻翼周囲欠損の再建におけるshark island pedicle flapと他の皮弁との比較検討

著者: 今村太一12 武藤一考1 名嘉眞武国1

所属機関: 1久留米大学病院皮膚科学講座 2今村皮ふ科形成外科

ページ範囲:P.719 - P.724

文献購入ページに移動
要約 鼻部の基底細胞癌切除後に鼻翼および周囲組織が欠損した2症例に対しshark island pedicle flapにて再建した.いずれの症例も2年経過した後も十分に整容性は維持されている.鼻翼を含む複数のunitに跨る欠損は整容性を維持するために再建に苦慮することがある.同部位の欠損に対しnasolabial transposition flapやflap in flap techniqueなどで再建することが多いが,整容面で満足のいく結果が得られない症例もあることや,作図や手技が複雑になるなどの問題があった.Shark island pedicle flapは鼻翼前葉を中心とした複数のesthetic unitの欠損に対し回転皮弁とV-Y前進皮弁を組み合わせた皮弁として2006年に報告され,先端の回転皮弁を折りたたむように回転させる際の捻じれにより容易に鼻翼・鼻唇溝ラインや立体構造が形成できる点が長所である.他の皮弁と比較しても作図ルールは簡潔で,手技も比較的簡便であり,長期の整容性も維持されることから有効な再建法と考える.

参考文献

1) 桃崎直也,他:皮膚臨床 51:159, 2009
2) Cvancara JL, et al:Dermatol Surg 32:726, 2006
3) Volz A, et al:J Dtsch Dermatol Ges 16:108, 2018
4) Pérez-Paredes MG, et al:Actas Dermosifiliogr 105:709, 2014
5) Carvalho R, et al:Eur J Dermatol 21:612, 2011
6) André MC, et al:An Bras Dermatol 86(4 Suppl 1):S160, 2011
7) Hamilton KL, et al:Semin Plast Surg 27:117, 2013
8) Wiwanitkit V:An Bras Dermatol 87:169, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?