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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻1号

2022年01月発行

文献概要

症例報告

インフリキシマブ,メトトレキサート,ステロイド剤投与中にニューモシスチス肺炎を合併した膿疱性乾癬の1例

著者: 石部純一1 大場操1 白濱茂穂1 松井隆2

所属機関: 1聖隷三方原病院皮膚科 2聖隷三方原病院呼吸器内科

ページ範囲:P.37 - P.42

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要約 69歳,男性.前医処方のステロイド剤と上気道感染が誘因となり尋常性乾癬が膿疱化した.エトレチナートで治療開始したが,効果がなく紅皮症状態になった.TNF-α阻害薬であるインフリキシマブ,メトトレキサート(MTX),ステロイド剤を投与したところ症状の改善を得た.ペンタミジン吸入を行っていたものの,入院52日目にニューモシスチス肺炎(Pneumocystis pneumonia:PCP)を発症した.PCP終息後はST合剤を予防量で投与しつつ,インフリキシマブとMTXを再開した.インフリキシマブは生物学的製剤の中では初期に登場した薬剤であるが,膿疱性乾癬の治療においては現在も重要な薬剤である.一方でPCP発症報告の多い薬剤でもある.MTXやステロイド剤の併用により,さらにリスクが上がる可能性がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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