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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻1号

2022年01月発行

文献概要

症例報告

右耳前部に生じた有茎性基底細胞癌の1例

著者: 加藤めぐみ1 赤星美帆1 渡邊陽香1 中田侑宏1 鈴木大介1

所属機関: 1公立昭和病院皮膚科

ページ範囲:P.67 - P.72

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要約 84歳,男性.初診5年前から右耳前部に腫瘍を自覚,増大傾向あり当院受診した.初診時には7×6×3cm大の広基有茎性で弾性硬に触れる常色〜紅色調を呈する腫瘤であり,表面平滑で潰瘍形成はみられなかった.画像検査で血流の豊富な腫瘤であったため,腫瘍基部から切除した.病理組織学的に腫瘍細胞は胞巣状・網状・索状に増殖しており,これらの細胞は免疫組織化学にてBer-EP4がびまん性に陽性,EMAは陰性であったことからnodular typeとadenoid typeが混在した基底細胞癌(basal cell carcinoma:BCC)と診断した.有茎性BCCは比較的稀な臨床型であり,自験例でも視診の段階でBCCは考えておらず,病理組織学的所見から診断することができた.自験例が有茎性の巨大腫瘤という特異な臨床を呈した理由として,浅側頭動脈の前頭枝と連続する栄養血管が流入しており血流が豊富であったこと,圧迫・間擦などの外的刺激が関与したことを考えた.条件により,BCCが有茎性になりうることは念頭に置いておくべきである.

参考文献

1) 石原和之:Skin Cancer 22:209, 2007
2) 戸所由起子,他:臨皮 56:74, 2002
3) 鈴木 琢,皆見春生:臨皮 62:1002, 2008
4) 石原和之:Skin Cancer 9:80, 1994
5) 安齋眞一,木村鉄宣:日皮会誌 118:1697, 2008
6) Leblebici C, et al:Int J Surg Pathol 27:19, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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