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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻10号

2022年09月発行

文献概要

症例報告

超音波検査が異物検出に有用であった外傷性異物の2例

著者: 加部幸子1 田中隆光1 鎌田昌洋1 大西誉光1 多田弥生1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.767 - P.771

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要約 症例1:4歳,男児.2か月前に転倒し下顎を打撲.1か月前から同部位に結節が出現したため受診した.初診時は半米粒大の紅斑で側方の青色調の下床に米粒大の弾性硬の結節を認めた.超音波検査にて1.2mm大の高エコーと周囲に輪状の低エコーを示した.同部より3mm大の石が摘出された.症例2:52歳,女性.1か月前にガラスが手指に刺さり,自分で抜いたが圧痛が残存したため受診した.右示指の中節指腹部に米粒大の弾性硬の皮下結節を認めた.超音波検査にて2mm大の高エコーと周囲の低エコーに加え多重反射像が得られた.2mm大のガラス片が摘出された.X線では比較的頻度の多い異物である木片や小さい異物は検出しづらい.超音波検査では表在性の異物の検出には,素材・サイズを問わず有用であり,摘出術中リアルタイムの確認も容易にできるため,異物を疑う例では超音波検査が推奨される.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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