icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻10号

2022年09月発行

文献概要

症例報告

ブロダルマブが著効した毛孔性紅色粃糠疹続発性紅皮症の1例

著者: 島野麻由奈1 山口泰之12 平田悠13 堀田萌子1 古屋和彦1

所属機関: 1函館中央病院皮膚科 2廣仁会札幌皮膚科クリニック 3ひらた皮フ科クリニック

ページ範囲:P.787 - P.792

文献購入ページに移動
要約 80歳,男性.初診1か月半前に全身に紅斑が出現した.毛孔一致性の角化性丘疹や粃糠様鱗屑を付する紅斑が全身に多発しており,病理組織学的に毛孔に一致した角栓や錯角化を認めた.毛孔性紅色粃糠疹I型と診断し,シクロスポリンやエトレチナートを投与したものの,皮疹は改善せず紅皮症に進展した.患者や家族と相談のうえ,ブロダルマブを導入したところ,導入1か月後には皮疹は消失した.導入3か月後に患者希望により投与を中止したが,3か月で再燃し,投与を再開したところ奏効した.再開後1年が経過してからは投与間隔を4週間としたが,投与間隔を延長してからも,再燃なく経過している.毛孔性紅色粃糠疹はしばしば治療に難渋するが,自験例を含め生物学的製剤が著効するという報告が増えており,有力な治療選択肢となる可能性が示唆される.

参考文献

1) Roenneberg S, Biedermann T:J Eur Acad Dermatol Venereol 32:889, 2018
2) Griffiths WA:Clin Exp Dermatol 5:105, 1980
3) Griffiths WA, et al:Ann Dermatol Venereol 128:931, 2001
4) Takeichi, et al:JAMA Dermatol 153:66, 2017
5) Kromer C, et al:J Dtsch Dermatol Ges 17:243, 2019
6) 柴田知之,他:皮膚臨床 61:611, 2019
7) 三尾峻生,他:皮膚臨床 62:1341, 2020
8) De Felice C, et al:Int J Dermatol 59:885, 2020
9) Amat-Samaranch V, et al:Int J Dermatol 60:e112, 2021
10) De Rosa A, et al:Australas J Dermatol 61:e249, 2020
11) Matsuda T, et al:J Dermatol 46:70, 2019
12) Adnot-Desanlis L, et al:Dermatology 226:41, 2013
13) Haynes D, et al:JAMA Dermatol 156:668, 2020
14) Feldmeyer L, et al:JAMA Dermatol 153:304, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?