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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻10号

2022年09月発行

症例報告

外陰部に基底細胞癌と乳房外Paget病を併発した1例

著者: 大原満梨奈1 日置智之1 神谷秀喜1 北島康雄1 杉山誠治2 山田鉄也2 松永研吾2

所属機関: 1中部国際医療センター皮膚科 2中部国際医療センター病理診断部

ページ範囲:P.793 - P.798

文献概要

要約 71歳,男性.20年前から陰囊右側に黒色斑があり,10年前から徐々に増大してきた.また,5年前から外陰部に瘙痒を伴う紅斑が出現し,ステロイド外用で改善せず,当科を紹介され受診した.初診時,陰囊右側に中央に潰瘍を伴った3×1cm大の境界明瞭な扁平隆起性の黒色局面と,恥骨部から陰茎にかけて鱗屑を付す比較的境界明瞭な4×2cm大の紅色局面・脱色素斑を認めた.生検にてそれぞれ基底細胞癌,乳房外Paget病と診断し,一塊にして切除した.病理組織学的には,いずれの病変も連続性はなく,各々独立して出現したものと考えた.外陰部に基底細胞癌と乳房外Paget病を合併もしくは併発した例は少ないが,色素性病変を呈した場合は乳房外Paget病に基底細胞癌を合併もしくは併発している可能性があるため注意が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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