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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻10号

2022年09月発行

文献概要

症例報告

耳介複合組織移植による基底細胞癌切除後の鼻翼・鼻孔縁再建の2例

著者: 佐々木庸介1 大塚正樹2 吉川周佐1 清原祥夫1

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター皮膚科 2中東遠総合医療センター皮膚科

ページ範囲:P.799 - P.805

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要約 基底細胞癌は外鼻に好発するが,腫瘍切除後に鼻翼・鼻孔縁の欠損を生じた場合,鼻孔形態の再現に苦慮する.鼻翼と耳介複合組織は形状,厚み,構造が類似しており,鼻翼・鼻孔縁欠損に対して耳介複合組織移植はしばしば選択される術式である.症例1:90歳,女性,左鼻尖〜鼻翼基底細胞癌.3mmマージン,鼻孔縁は全層切除,耳介複合組織移植で再建した.症例2:67歳,女性,左鼻翼基底細胞癌.3mmマージン,鼻孔縁は全層切除,耳介複合組織移植で再建した.2症例ともに耳介複合組織は完全生着し,鼻孔形態を再現することができた.今回われわれは,鼻翼・鼻孔縁の欠損に対し耳介複合組織移植を行い,整容的に良好な結果を得た.この方法は簡便で短時間に遂行可能であり,鼻翼・鼻孔縁の欠損再建に際し,有用な選択肢の1つになりうると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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