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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻10号

2022年09月発行

症例報告

悪性腫瘍を疑う結節状病変を呈した歯性感染症の1例

著者: 佐藤真由1 粂川宗之1 草野美沙希1 山本俊幸1 遊佐志乃2

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学講座 2公立相馬総合病院皮膚科

ページ範囲:P.807 - P.811

文献概要

要約 90歳,女性.右頰部に可動性やや不良の約2.5cmの紅色びらん性結節を認め,その周囲に約6〜7cmの大きさで硬結を触れた.臨床的に悪性腫瘍を疑い生検したが,病理組織像は真皮全層にわたる好中球と組織球を中心とした炎症細胞浸潤のみで腫瘍細胞はみられなかった.再生検でもやはり腫瘍細胞は確認されず,歯科口腔外科に精査を依頼したところ歯性感染症(外歯瘻疑い)の診断となった.抗菌薬内服と抜歯により症状は著明に改善し,腫瘤は完全に消失した.顔面の炎症所見を伴う結節性病変では,悪性腫瘍や真菌・抗酸菌感染症,炎症性粉瘤などとともに歯性感染症も鑑別に挙げる必要があると考えた.

参考文献

1) 稲坂 優,他:臨皮 69:954, 2015
2) 武原康平,他:皮膚臨床 57:2065, 2015
3) 林耕太郎,他:臨皮 66:909, 2012
4) 古賀千尋,他:日口腔科会誌 40:313, 1991
5) 高谷康男,他:日口腔科会誌 32:448, 1983
6) 齊藤輝海,他:愛知大歯誌 42:185, 2004
7) 臼井真理子,他:臨皮 68:169, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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