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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻11号

2022年10月発行

症例報告

高脂血症非合併の閉塞性動脈硬化症に対し加温式リサキュレーション法(DFサーモ法)を施行した3例

著者: 足立太起1 志水陽介1 中村元泰1 田井怜敏2 津田圭一3 酒井謙2 石河晃1

所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院皮膚科 2東邦大学医療センター大森病院腎センター 3東邦大学医療センター大森病院臨床工学部

ページ範囲:P.881 - P.887

文献概要

要約 症例1:61歳,男性.右足のガス壊疽にデブリドマン施行し,右2〜4趾を中足骨で離断.重度の虚血性潰瘍が治癒遷延した.症例2:43歳,男性.左5趾骨髄炎を伴う虚血性潰瘍に対しデブリドマン施行後,潰瘍が治癒遷延した.症例3:59歳,男性.右足の糖尿病性壊疽にデブリドマン施行し,右5趾を中足骨で離断した.多剤耐性緑膿菌感染症のコントロールも困難であり,潰瘍が治癒遷延した.今回われわれはカテーテル治療で良好な血流が確保できなかった,透析中の高脂血症非合併閉塞性動脈硬化症患者3症例に対してLDLアフェレシスの一法である加温式リサキュレーション法(DFサーモ法)を試みた.DFサーモ法施行後のSPP値の著明な改善を認め,症例1,2では救肢に成功した.近年,閉塞性動脈硬化症に対する治療の選択肢は拡がっている.透析中の閉塞性動脈硬化症患者ではバスキュラーアクセス造設も不要であり,DFサーモ法は低侵襲かつ有効な治療法になりうると考えられた.

参考文献

1) 末梢閉塞性動脈疾患の治療ガイドライン(2015年改訂版):日本循環器学会
2) 阿岸鉄三,他:脈管学 32:333, 1992
3) 阿岸鉄三,他:日アフェレシス会誌 25:42, 2006
4) 伊丹儀友,植村 進:日アフェレシス会誌 30:102, 2011
5) 安部 淳,他:日血浄化技会誌 19:23, 2011
6) 金野好恵:日アフェレシス会誌 26:354, 2007
7) 林 秀樹,他:日透析医学会誌 40:89.2007
8) 金野好恵,他:日アフェレシス会誌 28:211, 2009
9) 中野敦子,他:日透析医学会誌 39(Suppl.1):927, 2006
10) 寺尾千夏,他:宮城腎不全研会誌 44:25, 2016
11) 令和4年度診療報酬点数表 http://tensuhyo.html.xdomain.jp/04/i/J039.html

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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