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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻12号

2022年11月発行

文献概要

症例報告

外科的治療が奏効した多発性pseudocyst of the scalpの1例

著者: 林航1 下田由莉江1 早川怜那1 佐藤洋平1 大山学1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.987 - P.992

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要約 21歳,男性.5か月前より出現した頭部の皮下腫瘤を主訴に受診した.臨床像・MRI画像所見よりpseudocyst of the scalp(PCS)と診断した.約1か月間に病変が増大・融合し疼痛を伴うようになったため,切開の上内容掻爬・ドレナージした.術中,脂肪様組織を含む血性内容液の排出をみた.頭頂部腫瘤の病理組織像では,皮下組織に好中球を混じる炎症性細胞浸潤と肉芽組織,血栓を認めた.術前の予想に反し,瘢痕を残さず治癒した.自験例はPCS既報告例と比べ,病変が広範囲であり,頭部に多発性皮下腫瘤を形成する膿瘍性穿掘性頭部毛包周囲炎との差異について考察した.両者は,病変の数と,瘢痕性脱毛,瘻孔,毛包破壊像の有無が鑑別点となる.これらより自験例はPCSと考えた.血栓形成が急速な増大に関与した可能性を考えた.多発・増大傾向を認めるPCSには積極的な外科的治療が有用であることが示唆された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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