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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻13号

2022年12月発行

文献概要

症例報告

症状の遅発遷延がみられたペグフィルグラスチム(ジーラスタ®)によって発症したアナフィラキシーの1例

著者: 石川優人1 安島さやか1 岸本叡2 橋爪秀夫1

所属機関: 1磐田市立総合病院皮膚科 2磐田市立総合病院呼吸器内科

ページ範囲:P.1049 - P.1052

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要約 64歳,男性.肝腎骨転移を伴う小細胞肺癌に対して放射線併用化学療法が行われていた.好中球減少症の予防目的にペグフィルグラスチム(ジーラスタ®)が投与された.1時間後から倦怠感と嘔気が出現し,投与6時間後から血圧低下,膨疹,呼吸困難,腹痛が出現し救急搬送された.アドレナリン投与によってショック状態から回復したが,血圧低下と膨疹,消化器症状が完全に消失するまでに5日を要した.PEG4000を含むマクロゴール軟膏のスクラッチテストとペグフィルグラスチムの皮内テストが陽性を示し,同薬剤に含まれるポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)によるアナフィラキシーと診断した.PEGに対する即時型アレルギーはIgG,IgMや補体を介したIgE非依存性反応と,従来のIgE依存性反応が混在するといわれており,自験例の症状の遅発と遷延にはIgE非依存性反応が関与している可能性がある.PEGによるアナフィラキシーは特異な症状経過を取りうるため,特に症状の遅発遷延に注意して診療に当たるべきである.

参考文献

皮下注3.6mg.インタビューフォーム
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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