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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻13号

2022年12月発行

文献概要

症例報告

外陰部丘疹状棘融解性異常角化症の1例

著者: 安島さやか1 佐野友佑1 橋爪秀夫1

所属機関: 1磐田市立総合病院皮膚科

ページ範囲:P.1077 - P.1079

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要約 79歳,女性.家族歴特記事項なし.内科入院中,発症時期不明の陰部の皮疹に気づいた.その他の部位に皮疹はなかった.抗デスモグレイン1,3抗体陰性だった.肛門周囲に毛孔不一致性の白色丘疹が多発し,皮膚生検で棘融解と異常角化を認め,外陰部丘疹状棘融解性異常角化症と診断した.これまで報告された50例をまとめると,平均40歳の女性の外陰部や肛門周囲に好発する無症状の白色丘疹および局面状の皮疹が本症の特徴である.Darier病やHailey-Hailey病の病因遺伝子であるACP2A2またはATP2C1遺伝子のモザイク変異の報告例があるが,まだ不明な点も多い.発症部位がprivate partsであり,尖圭コンジローマに似た臨床像から誤診されたり,自覚症状がないことから見過ごされたりしている症例が多い可能性がある.本邦の皮膚科医においては,認知度は高くはないが,特徴的な臨床像と,特異な病理所見を呈する点から,国際的に認められている疾患であり,われわれは知っておくべき疾患であると思われる.

参考文献

1) 清水 宏:あたらしい皮膚科学,第2版,中山書店,p41,2011
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7) 玉置邦彦(編):最新皮膚科学体系,6巻,1版,中山書店,p206, 2002
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9) Al-Muriesh M, et al:J Cutan Pathol 43:749, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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