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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻13号

2022年12月発行

文献概要

症例報告

原発不明の右腋窩リンパ節Merkel細胞癌の1例

著者: 廣瀬佳和1 菅崇暢1 松原大樹1 作田智彦2 秀道広1 田中暁生1

所属機関: 1広島大学病院皮膚科 2広島大学病院整形外科

ページ範囲:P.1081 - P.1085

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要約 62歳,女性.当科初診3か月前に胸部CT検査で右腋窩に35×28mm大の腫瘤影があり,PET/CT検査で異常集積を指摘された.軟部悪性腫瘍を疑われて1か月前に当院整形外科で軟部腫瘍摘出術が行われた.病理組織学的所見としてリンパ節内に多結節状に増殖する腫瘍があり,腫瘍細胞はcytokeratin(CK)20,chromogranin-A,synaptophysinが陽性であった.Merkel細胞癌(Merkel cell carcinoma:MCC)を疑われて当科に紹介されたが,皮膚病変はみられなかった.原発不明のMCCと診断し,右腋窩リンパ節郭清術を行い,腫瘍細胞の残存はなかった.現在は術後21か月であるが,再発はなく慎重に経過観察を続けている.これまでの本邦や海外の報告から,原発不明のMCCは皮膚原発MCCよりも予後が比較的良好である可能性が考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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