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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻13号

2022年12月発行

文献概要

症例報告

Mycobacterium abscessusによる腹膜透析カテーテル出口部感染の1例

著者: 喜多野誠哉1 橋爪秀夫2 兼子泰一3

所属機関: 1島田市立総合医療センター皮膚科 2磐田市立総合病院皮膚科 3かねこ皮膚科

ページ範囲:P.1107 - P.1110

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要約 61歳,男性.腎硬化症による慢性腎臓病のため,腹膜透析開始した1年後から腹膜透析カテーテル出口部に結節および膿瘍が出現した.膿瘍は皮下脂肪織から腹直筋まで達していた.出口部の抗酸菌染色にてガフキー1号,培養および質量分析にてMycobacterium abscessusと同定された.感受性のあるクラリスロマイシンおよびレボフロキサシンによる多剤併用療法にて難治であったため,腹膜透析カテーテル抜去および膿瘍部の外科的切除を併せ,同じ2剤の投与を6か月行い,治癒した.自験例では創部の洗浄を井戸から供給されていた水を入れた浴槽で行っていた.また,メダカを飼育しており,飼育している水槽内の水から抗酸菌染色にてガフキー5号,培養および質量分析にてM. abscessusが検出されたこともあわせ,自宅内感染であることが推測された.難治なカテーテル出口部感染(exit-site infection)では非結核性抗酸菌症を鑑別する必要がある.

参考文献

1) SongY, et al:Nephrol Dial Transplant 27:1639, 2012
2) Yoshimura R, et al:BMC Nephrol 19:341, 2018
3) Mooren VHJF, et al:IDCases 9:6, 2017
4) Petrini B:APMIS 114:319, 2006
5) Griffith DE, et al:Am J Respir Crit Care Med 175:367, 2007
6) Ono E, et al:Ren Replace Ther 4:52, 2018
7) 清島真理子:臨と微生物 46:331, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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