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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻2号

2022年02月発行

文献概要

症例報告

遷延する尿閉をきたした再発性帯状疱疹の1例

著者: 田中弘子1 青笹尚彦1 杉森彩香1 小原明希1 野々垣彰1 玉木毅1 吉崎宇蘭2 新美文彩2 宮嵜英世2

所属機関: 1国立国際医療研究センター病院皮膚科 2国立国際医療研究センター病院泌尿器科

ページ範囲:P.169 - P.173

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要約 82歳,女性.初診1週間前から左下肢〜臀部の皮疹が出現し,徐々に拡大した.50歳代に同一部位の帯状疱疹の既往があった.初診時左下肢〜臀部にかけて紅暈を伴う水疱の集簇を認め,帯状疱疹と診断し,アメナメビル(アメナリーフ®)内服開始した.皮疹拡大を認めたため初診2日後に入院のうえ,アシクロビル点滴に変更した.半年前より自覚していた残尿感が増悪し,翌日泌尿器科受診.500mlの残尿を認め,尿閉と診断し,尿道カテーテルを留置のうえ,ウラピジル(エブランチル®),ジスチグミン(ウブレチド®)内服を開始した.皮疹軽快し退院後も泌尿器科通院を継続.何度か尿道カテーテル抜去を試みたが十分な自排尿が得られなかったため,退院後12か月時点でも間欠的自己導尿継続中である.帯状疱疹の合併症の1つに排尿障害があり,時に遷延しうることを認識する必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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