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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻3号

2022年03月発行

文献概要

症例報告

バンコマイシン誘発性線状IgA水疱性皮膚症と考えた1例

著者: 安達夏紀1 池田英里1 梅垣知子1 石崎純子1 山上淳2 田中勝1

所属機関: 1東京女子医科大学附属足立医療センター皮膚科 2慶應義塾大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.231 - P.234

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要約 88歳,男性.ペースメーカー感染に対し塩酸バンコマイシン(VCM)を15日間投与したが,感染症状は改善せず,抗菌薬をメロペネムに変更された.その2日後,四肢に浮腫性紅斑と緊満性水疱を生じた.病理組織学的には好酸球主体の炎症細胞浸潤を伴う表皮下水疱であり,蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgAとC3の線状沈着がみられた.抗菌薬中止後,紅斑・水疱は速やかに軽快した.経過から,薬剤誘発性線状IgA水疱性皮膚症(linear IgA bullous dermatosis:LABD)と診断した.薬剤誘発性LABDは,原因の約半数がVCMである.VCMの発症への関与の検討には,VCM添加下での蛍光抗体間接法と7型コラーゲンに対するELISA法が有用とされている.自験例では,水疱治癒後の血清を用いた検討を行ったが陰性であった.原因の特定には,水疱出現時の血清を用いることが重要と考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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