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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻3号

2022年03月発行

文献概要

症例報告

仙骨部の紅斑を呈した尿管癌皮膚転移の1例

著者: 関満里奈1 大草健弘1 武井華子1 荻原麻里1 鈴木茉莉恵1 伊藤雄太1 中田土起丈1 山本向三2

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院皮膚科 2山本皮フ科クリニック

ページ範囲:P.257 - P.261

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要約 80歳,男性.初診5年前に尿管癌のため左腎尿管全摘除および放射線療法を施行された.初診1年前に傍大動脈リンパ節転移が出現したが化学療法は希望しなかった.初診1か月前に仙骨部に瘙痒感および疼痛を伴う皮疹が出現したため近医を受診,当科を紹介された.仙骨部に比較的境界明瞭な,軽度の浸潤を触れる紅斑局面を認めた.淡紅色で一部紫紅色調を呈し,瘙痒感を伴っていた.皮膚生検では,真皮上層から皮下組織にかけて,索状,胞巣状に増殖する細胞集塊を認めた.腫瘍細胞は異型性に富み,免疫組織学的にCK7に陽性,CK20一部で陽性,uroplakinは一部で弱陽性であった.以上より尿管癌の皮膚転移と診断した.転移様式としては傍大動脈リンパ節からの逆行性の浸潤が考えられた.腎盂尿管癌の皮膚転移例は稀であるが,既報告例では自験例のような紅斑を含め多様な病変がさまざまな部位に生じている.腎盂尿管癌の患者では,全身皮膚を注意深く診察する必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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