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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻3号

2022年03月発行

文献概要

症例報告

慢性骨髄性白血病患者に生じた壊疽性膿皮症に対し植皮術を行った1例

著者: 榊原萌1 清原佐央里1 久本晃義1 加藤麻己1 中嶋智香子1 下山陽也1 平林恵1 桒野嘉弘1

所属機関: 1帝京大学医学部附属溝口病院皮膚科

ページ範囲:P.281 - P.284

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要約 75歳,男性.初診の2週間前より発熱,左下腿の腫脹発赤があり当院受診.左下腿に腫脹発赤,黒色〜黄色の潰瘍局面を認め,生検を施行した.病理組織では,真皮から皮下組織にかけて高度の好中球浸潤がみられたが,細菌・真菌・抗酸菌培養を数回行ったがすべて陰性であった.以上より壊疽性膿皮症と診断した.プレドニゾロン30mg/日より開始し,潰瘍の新生は抑制された.広範囲の潰瘍が残存したため,プレドニゾロン25mg/日内服継続下に植皮術を施行し上皮化がみられ,現在潰瘍の新生はない.壊疽性膿皮症でプレドニゾロン投与中においても病勢がコントロールされていれば,広範囲の潰瘍に対して,植皮術を治療選択肢として検討すべきである.

参考文献

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10) Rozen SM, et al:Ann Plast Surg 47:310, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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