icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻5号

2022年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2022 Clinical Dermatology 2022 2.皮膚疾患の病態

類天疱瘡疾患におけるグランザイムBの病理学的機能

著者: 廣保翔1

所属機関: 1大阪公立大学大学院医学研究科皮膚病態学

ページ範囲:P.60 - P.66

文献購入ページに移動
summary
類天疱瘡疾患は,真皮表皮接合部の蛋白に対する病原性自己抗体を持つ,自己免疫性表皮下水疱症である.コルチコステロイドの内服がその標準治療であるが,高い再発率や死亡率が臨床上の問題であり,より効果的で安全な治療が臨床現場において求められている.われわれは,類天疱瘡疾患において増加していることが知られていたがその病理学的意義が不明であった,セリンプロテアーゼの一種であるグランザイムBの病理学的役割を,モデルマウスを用いて検討した.その結果,グランザイムBは類天疱瘡疾患において,真皮表皮背接合部接着因子の切断と好中球リクルートメントに関与していることを明らかにし,さらにグランザイムBの阻害薬外用が類天疱瘡疾患の治療になりうることを示した.

参考文献

1) Hiroyasu S, et al:Front Immunol 10:1454, 2019
2) 氏家英之,他:日皮会誌 127:1483, 2017
3) Kirtschig G, et al:Cochrane Database Syst Rev 2010:CD002292, 2010
4) Russo V, et al:Sci Rep 8:9690, 2018
5) Hiroyasu S, et al:Nat Commun 12:302, 2021
6) Nishie W, et al:Nat Med 13:378, 2007
7) Shen Y, et al:Exp Mol Med 50:1, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?