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増刊号特集 最近のトピックス2022 Clinical Dermatology 2022 2.皮膚疾患の病態
類天疱瘡疾患におけるグランザイムBの病理学的機能
著者: 廣保翔1
所属機関: 1大阪公立大学大学院医学研究科皮膚病態学
ページ範囲:P.60 - P.66
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類天疱瘡疾患は,真皮表皮接合部の蛋白に対する病原性自己抗体を持つ,自己免疫性表皮下水疱症である.コルチコステロイドの内服がその標準治療であるが,高い再発率や死亡率が臨床上の問題であり,より効果的で安全な治療が臨床現場において求められている.われわれは,類天疱瘡疾患において増加していることが知られていたがその病理学的意義が不明であった,セリンプロテアーゼの一種であるグランザイムBの病理学的役割を,モデルマウスを用いて検討した.その結果,グランザイムBは類天疱瘡疾患において,真皮表皮背接合部接着因子の切断と好中球リクルートメントに関与していることを明らかにし,さらにグランザイムBの阻害薬外用が類天疱瘡疾患の治療になりうることを示した.
類天疱瘡疾患は,真皮表皮接合部の蛋白に対する病原性自己抗体を持つ,自己免疫性表皮下水疱症である.コルチコステロイドの内服がその標準治療であるが,高い再発率や死亡率が臨床上の問題であり,より効果的で安全な治療が臨床現場において求められている.われわれは,類天疱瘡疾患において増加していることが知られていたがその病理学的意義が不明であった,セリンプロテアーゼの一種であるグランザイムBの病理学的役割を,モデルマウスを用いて検討した.その結果,グランザイムBは類天疱瘡疾患において,真皮表皮背接合部接着因子の切断と好中球リクルートメントに関与していることを明らかにし,さらにグランザイムBの阻害薬外用が類天疱瘡疾患の治療になりうることを示した.
参考文献
1) Hiroyasu S, et al:Front Immunol 10:1454, 2019
2) 氏家英之,他:日皮会誌 127:1483, 2017
3) Kirtschig G, et al:Cochrane Database Syst Rev 2010:CD002292, 2010
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