icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻5号

2022年04月発行

増刊号特集 最近のトピックス2022 Clinical Dermatology 2022

3.新しい検査法と診断法

乾癬病勢のバイオマーカーとしての角層中のS100A8/A9

著者: 松永由紀子1 橋本由起1 石河晃1

所属機関: 1東邦大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.93 - P.96

文献概要

summary
乾癬は著しいQOLの低下を招き治療に難渋するケースも多いことから,確度の高い早期診断が適切な治療戦略の立案には重要である.代表的な病勢評価法のPASIスコアは評価者間で数値がばらつくことから,乾癬の疾患活動性をより客観的に評価する手立てが求められている.S100A8/S100A9は抗菌や炎症惹起・免疫調節などを有するカルシウム結合蛋白で好中球に多く含まれ,乾癬の病態形成への深い関与が明らかになりつつある因子である.角層でも病勢と連動しながら高レベルで発現し,局所の炎症状態を鋭敏に反映するバイオマーカーとしてのポテンシャルを有している.本稿では角層サンプルを用いたS100A8/A9の評価法と臨床での活用事例を紹介する.

参考文献

1) Iwamoto F, et al:J Gastroenterol Hepatol 33:1984, 2018
2) Guo Q, et al:Cell Host & Microbe 29:222, 2021
3) Deguchi A, et al:FASEB J:35:e21798, 2021
4) Schonthaler HB, et al:Immunity 39:1171, 2013
5) Matsunaga Y ,et al:J Dermatol 48:1518, 2021
6) Volpe E, et al:Blood 114:3610, 2009
7) Boniface K, et al:J Immunol(Baltimore) 185:679, 2010
8) Clausen ML, et al:Br J Dermatol 169:587, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら