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増刊号特集 最近のトピックス2022 Clinical Dermatology 2022 3.新しい検査法と診断法
データ駆動型アプローチによる皮膚疾患の層別化と病態モニタリング
著者: 川上英良12 川崎洋34
所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院人工知能(AI)医学 2理化学研究所情報統合本部先端データサイエンスプロジェクト医療データ数理推論チーム 3慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 4理化学研究所生命医科学研究センター免疫器官形成研究チーム
ページ範囲:P.97 - P.101
文献購入ページに移動皮膚疾患に対してもさまざまな分子標的治療薬が登場しており,個人ごとの最適な治療選択に向けてデータ駆動型アプローチが注目されている.データ駆動型アプローチでは多数のパラメータを網羅的に計測し,データに基づく疾患の層別化を行う.疾患を層別化することで,サブグループごとに異なる疾患メカニズムや疾患関連因子を明らかにし,最適な治療選択につなげられると考えられる.層別化解析では,ウェアラブルデバイスやオミクスをはじめとする多様な計測データに基づいて教師なし機械学習を用いた次元圧縮,クラスタリングが用いられる.計測条件や背景情報,治療効果,予後といったメタ情報を計測値と紐付けて管理するデータプラットフォームもデータ駆動型医科学研究を推進するうえで必須の仕組みである.本稿ではデータ駆動型アプローチの考え方と,データ駆動型医科学研究において活用が期待されるさまざまな計測技術,解析手法を実際の研究事例とともに紹介する.
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