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増刊号特集 最近のトピックス2022 Clinical Dermatology 2022 4.皮膚疾患治療のポイント
古典的外用薬を見直す
著者: 日野治子1
所属機関: 1公立学校共済組合関東中央病院皮膚科
ページ範囲:P.144 - P.148
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薬剤を病変部に外部から用いて,治療効果を得る外用薬はさまざまな剤型を呈する.剤型を形作るのが基剤であり,効果を決定するのが主剤である.古典的軟膏といわれる油脂性軟膏と現在頻用される乳剤性軟膏を比較すると,前者はべたつく,色がつく,疎水性のため除去には油が必要,刺激性は弱い.一方,後者は使用感がよく,見た目もきれい,水に溶ける,しかし時に刺激性がある.古典的外用剤の多くは疎水性であるがゆえに,その使用範囲が広い点が特徴でもある.外用剤の選択は,疾患に対しては治療目的に相応しい主成分を選択するが,基剤,剤型,使用方法は,その病変の状況で選ぶ.多くの場合,油脂性軟膏基剤は使うことができるが,びらん・湿潤面には乳剤性のクリームや液剤など水溶性のものは,滲出液・分泌物の再吸収によって,自家感作を起こしたり,刺激症状があるため,適切ではない.このような外用薬を上手に使いたいものである.
薬剤を病変部に外部から用いて,治療効果を得る外用薬はさまざまな剤型を呈する.剤型を形作るのが基剤であり,効果を決定するのが主剤である.古典的軟膏といわれる油脂性軟膏と現在頻用される乳剤性軟膏を比較すると,前者はべたつく,色がつく,疎水性のため除去には油が必要,刺激性は弱い.一方,後者は使用感がよく,見た目もきれい,水に溶ける,しかし時に刺激性がある.古典的外用剤の多くは疎水性であるがゆえに,その使用範囲が広い点が特徴でもある.外用剤の選択は,疾患に対しては治療目的に相応しい主成分を選択するが,基剤,剤型,使用方法は,その病変の状況で選ぶ.多くの場合,油脂性軟膏基剤は使うことができるが,びらん・湿潤面には乳剤性のクリームや液剤など水溶性のものは,滲出液・分泌物の再吸収によって,自家感作を起こしたり,刺激症状があるため,適切ではない.このような外用薬を上手に使いたいものである.
参考文献
1) 日野治子:日皮会誌 109:121, 1999
2) 玉置邦彦(編):最新皮膚科学体系,2巻,皮膚科治療学,中山書店,p17, 2003
3) 日野治子:MB Derma 140:116, 2008
4) 日野治子:皮膚病診療 33(Suppl):6, 2011
5) 日野治子:日皮会誌 132:459, 2022
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